長期投資の心得
長期で持てば急激な為替変動も何のことはない
FX(外国為替証拠金取引)の長期投資は異なる2つの通貨の金利差によって生じるスワップ金利収入(インカムゲイン)狙いの投資方法である。しかし、最近の急激な円高によってストップロスがかかってしまうような事態に見舞われた人も多いかもしれないが、長期投資の観点から見れば、それほど焦る必要はない。
確かに、1ドル=90円割れは、一時期の1ドル=120円近辺のレベルから見れば、かなりの円高水準にあるが、年足でチャートを見ると、実は2000年前後の水準に戻った程度なのである。この間には日本と海外の金利差が大きく拡大したこともあって、円を売って外貨を買うという取引が、非常に強みを発揮した。仮に、2000年前後から外貨取引をスタートさせ、現在までそのポジションをホールドしていたとすると、この間にかなりの額のスワップ金利が加算されているはずだ。その額も含めてトータルのリターンを考えると、おそらく大きな損失は被らずにすんでいることだろう。
FXの長期投資で大事なのは、日々きちんとスワップ金利が入ってくることであり、為替レートがどう動いているのかということは気にしないでいい。いや気にしたくないからこそ、長期投資という手法を用いて外貨投資をするのである。イメージとしては、外貨預金を利用する感覚だ。外貨預金の場合、おそらく多くの人は満期を迎えるまで保有し続けるだろうし、この間、為替レートがどう動いているのかということについては、それほど神経質には考えていないと思う。FXは非常に短期的なトレーディングを繰り返して、為替差益(キャピタルゲイン)で儲ける金融商品という側面のほうが強いため、外貨預金と同じようにはなかなか考えにくいのだろう。しかしFXは長期投資としても非常に優れた金融商品なのである。
また、FXはハイレバレッジの投資手法というイメージもあるが、基本的にレバレッジは自分自身で自由に調整できる。外貨預金並みのリスク・リターンで取引するなら、レバレッジをかけずに投資すればよい。高くても2〜3倍というイメージだろうか。FXのスワップ金利は、レバレッジをかけなくても、外貨預金の利率に比べて高いので2〜3倍という低めのレバレッジでも、十分に満足のいくスワップポイントを確保することができるのだ。しかし、最近では米国などの利下げによって、世界的に金利は低下傾向にある。もう、スワップ金利を狙った長期投資は通用しないという声も、一部から聞こえてくる。確かに米国をはじめ、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカなど高金利通貨の政策金利は軒並み引き下げられた。これにより事実上ゼロ金利政策だった円との金利差が狭まり、スワップ金利収入のうまみが減ったといえる。
しかし、だからといってFXが長期投資に向かないというのは誤解である。為替レートが日々、上下しているのと同じように、金利も上昇・低下を繰り返している。長期投資すれば、こうした金利の波をとらえていくことになるため、今の一局面だけを見て、長期投資は通用しないと考えるのは間違っている。スワップ金利の上昇・下落、為替レートの円高・円安など、マーケットの日々の動きにとらわれず、大船に乗った気でトレードできるのが、FX長期投資のメリットなのである。